AWASE gallery × biscuit gallery グループ展「6 drawings vol.3」
このたび、AWASE gallery × biscuit gallery グループ展「6 drawings vol.3」を開催いたします。
会期は11月8日(土)〜 11月23日(日)、会場はAWASE gallery、On、biscuit galleryの3スペース。
どなたでも予約なしでご来場いただけます。
今展覧会は、biscuit galleryとの共同企画になります。
海老原イェニ、上條陽斗、Charles Munka、丸山咲、三成花奈、弓月6名の美術作家それぞれの解釈で描かれるドローイング展をお届けします。
AWASE galleryからは、上條陽斗、Charles Munka、丸山咲をご紹介いたします。
6人の作家が独自の方法でドローイングを拡張する企画展です。是非お楽しみにしてください。
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【開催概要】
AWASE gallery × biscuit gallery グループ展
「6 drawings vol.3」
参加作家:海老原イェニ/上條陽斗/Charles Munka/丸山咲/三成花奈/弓月
会期:11月08日(土)〜11月23日(日)
時間:12:00〜19:00
休廊:月-火
入場:無料
会場:AWASE gallery、On、biscuit gallery
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目32−10 松井ビル8F
主催:biscuit gallery, AWASE gallery
お問い合わせ:info@awasegallery.com
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アーティストプロフィール

上條陽斗 / Haruto Kamijo
「forming patterns」/594×420×150 mm/2025
上條陽斗 / Haruto Kamijo
2000年東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士後期課程在籍。動的な過程を伴う製造手法が生み出す形態に対する関心をもとに、コンピューテーショナル・ファブリケーションの研究や立体的に変形するテキスタイルを用いた作品制作を行っている。 東京大学工学部長賞(研究最優秀)の受賞やクマ財団8・ 9期生への採択、大阪・関西万博の閉会式での衣装素材の制作など多方面で活動している。
主な展覧会
個展
「forming patterns」(TIERS GALLERY、東京、2025年)
グループ展
「gyroid resonance」(スパイラルガーデン、東京、2025年)
「口をひらくと空気がもれます」(クマ財団ギャラリー、東京、2024年)
「FUJI TEXTILE WEEK 2025」(山梨、2025年11月22日-12月14日)
作品・コンセプトについて
投げられた野球ボールが描く美しい放物線はピッチャーの被造物ではなく、彼にできることはその現象を理解して飼い慣らすことのみです。パウル・クレーはドローイングを「線を散歩させること」と表現しましたが、私の制作もまた、先立って歩く現象に手綱をつけて、なんとか全体を組織立てるプロセスによっています。
技術の発展と専門分化が進むにしたがって、ものの作り方における、観念的な形相を伝達可能にする「デザイン」と、質料をその通りに形作る「ファブリケーション」は自明に分離されたものとして扱われるようになりました。その極北にあるのが3D CADと3Dプリンタの組み合わせをはじめとする、コンピューテーショナルデザインとデジタルファブリケーションの技術でしょう。私は研究者としてその領域に身を置きつつ、イメージのずっと手前に横たわる現象を愛で、現象との呼応から作られるべき形態を見出すことで制作をします。
記号以前のものの作り方に、現代の技術を用いた過剰な反復を挿入することで、未来の考古学のためのアーティファクトを作ります。

丸山咲 / Saki Maruyama
「fictional image」/600×1280×0.5 mm/2025
丸山咲 / Saki Maruyama
2002年 東京生まれ
2021年 武蔵野美術大学造形学部日本画学科入学
2025年 同学視覚デザイン学科卒業
主な展覧会
2023
- 山田太朗・丸山咲二人展『モラトリアムジャーニー』
- THE blank GALLERY 『Group Exhibition EPIC PAINTERS vol.13』
- THE blank GALLERY 『VIEWS and FACES Vol.3 – 風景と人物-』
2024
- 渋谷東急プラザ +ART GALLERY 『ART Students STARS vol.3』
- ギャラリー美の舎 個展『名前を脱ぐ』
- 長亭ギャラリー 『日常』
- 麗人社ギャラリー 『shade』
- galleryTOWED 『窓をあけて、裏白がみえて、』
- 長亭ギャラリー 入選者グループ展
2025
- biscuit gallery 『grid4』
- 2025.6 長亭ギャラリー 受賞者グループ展
作品・コンセプトについて
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小説や文芸の中で、場面転換時に使われる *(アスタリスク)という記号があります。
空白行の代わりに扱われ、より視覚的に明確な区切りとして機能します。
私は小説を読むのが好きです。その中で、本筋と本筋の場面転換の間に、過去の断片的な記憶や誰の視点かもわからないような短い文章が、アスタリスクに挟まれて挿入されることがあります。
本筋とは一見関係ないようにも見えるそれは、一瞬瞼を閉じた時によぎる景色や、理由もなくなぜかふと思い出すいつかの記憶に似ています。
私はそれを読んだ時、物語の中でそのたった2、3行の放つ不思議な存在感と、アスタリスクの向こうにある描かれていないものの大きさを確かに感じます。
その感覚が、私にとって重要な気がしています。
今回は空間で展示するにあたり、これまで制作してきた紙にペンで描いたドローイングから趣向を変えて、それぞれの大きさを変えて並べたり、複数のドローイングを切り抜いて重ねたりする試みをしました。
これは、上で語ったアスタリスクに挟まれた断片的な文章のように、一見関連性のないような景色が、並んだり重なったりすることによって生まれる物語性やその間に存在する空白のようなものが視覚的に作れたら、という意図で行ったものです。
それぞれの景色の中にある光と、その間にある何かを少し感じていただけたら嬉しいです。

シャルル・ムンカ / Charles Munka
「impossible distances」/620×515 mm/2025
シャルル・ムンカ / Charles Munka
EDUCATION
1999 – 2002 – ECOLE EMILE COHL, Lyon, France
主な展覧会
(SOLO EXHIBITIONS)
2023 – “TAMESHIGAKI”, SUPPOSE DESIGN OFFICE, Hiroshima, Japan
2023 – “TAMESHIGAKI”, INS studio, Tokyo, Japan
2022 – “GAPS IN COVERAGE”, Taachi Gallery, Sado, Japan
2019 – “AKITSU PAINTINGS”, Space Union Gallery, Seoul, Korea
2017 – “LINGUA FRANCA”, Institut Francais du Japon, Tokyo, Japan
(OFF SITE SOLO EXHIBITIONS)
2025 – “HOLLOWAYS”, Atsukushihiko shrine, Sado / INS studio, Tokyo
2021 – “GHOST LINKS”, Nakatani House, Noto, Japan
2020 – “RIKEN NO KEN / ADRIFT”, Haguro Shrine, Sado Japan / Sado island art festival
2018 – “SANCTUARY”, Atsuta Shrine, Sado, Japan / Sado island art festival
(GROUP EXHIBITIONS)
2020 – “HYPER SALON VOL.2”, UART SPACE Gallery, Seoul, Korea
2017 – “WORKS FROM THE BECH RISVIG COLLECTION”, Huset for Kunst Og Design, Holstebro, Denmark
2017 – “FRANCE / JAPAN SYNERGY”, Bunkamura gallery, Tokyo, Japan
2016 – “SIGNAL 8”, Cat Street gallery, Hong Kong, HKSAR
作品・コンセプトについて
「内部の記念碑、移住のパターン、そして一過性の領土 」
ジン・メイヤーソン 著
私たちのグローバルな歴史の中には、未知の始まりと未知の終わりが存在する。芸術が存在する以前、私たち人類は記念碑を内部に携えていた。それはアイデア、ジェスチャー、そして一過性の行為として。儀式は実現された遺産となり、世代から世代へと受け継がれ、私たちの存在の痕跡を場所に記す必要を感じるはるか以前のことだった。私たちはこれらの歴史の堆積物の中からわずかな層を剥ぎ取ったに過ぎず、空白を埋め、欠けた部分を置くことはほとんどできない。ポスト・アイデンティティ、ポスト・コロニアル、ポスト・コンディショナル、そして果てしない今という時代の中で、唯一確かなことは、私たちは皆、居住する時空間の場所の一過性の訪問者であり、一過性の領土の生成的な移民であるということだ。
シャルル・ムンカは、リヨンの郊外ヴィルールバンヌで生まれ、名前が文字通り「仕事」を意味するハンガリーのジプシー石工の家系に由来する家族のもとに生まれた。ムンカは自身の歴史の中に空白を認めている。それは、彼の祖先が東ヨーロッパの国境を越えてフランスに定住した日付である。彼らは急速に適応し、故国、言語、そして遺産の重みを残した。彼はエコール・エミール・コールの芸術教育から始め、すぐにフランス・アカデミーの国家的な伝統が自分に合わないことに気づいた。20歳の時、彼は東京行きの片道切符を買って、個人的な巡礼の旅を始めた。それはアジアを横断する道を切り開いた:東京、上海、香港、再び東京、そして最終的に佐渡島に漂着した。佐渡島は独自の分離の歴史を持ち、時間が完全に止まったかのような場所だ。
失われた時代が不透明な層として重なり、私たちの移住の進化を完全に読み解くことを妨げている。領土が最初に居住されたのはいつか、誰が最初に前進して国境を開発したのか、そして誰が本当に場所を故郷と呼べるのか?私たちは起源の点から到着の場所まで明確な線を引くことができるが、既知の歴史を進むにつれて、移住のパターンは知覚の政治と植民地の複雑さに屈服する。ムンカの制作の本質は、物理的な移動と自身の存在の再想像にある。時代遅れの地図、航海図、そして最先端のLIDAR、気象、GPSの図を同時に使用することで、ムンカは存在しなかった空間における代替的な出発点と到着点を研究し、開発する。
内向きのジェスチャーとして、逆の地図作成を行い、彼は訪れたどの場所にも境界の印を残していない。その代わりに、直感的な蓄積のプロセスを使い、繊細な考古学的擦過法で既存の印を剥ぎ取り、局所的な圧力のわずかな変化を通じて詳細を編集し、取得する。これらの法医学的なスケッチは収集され、場所の質感の感覚的な経験、そしてそれらを集めるために必要な特定の筋肉記憶がスタジオに持ち帰られ、再文脈化され、キャンバスの表面に並べられる。
私たちが所属するコミュニティの中で、私たちは今、広大な地理的距離を越えてつながりを維持し、持ち運ぶことができる。グローバルな接続性の時代に、私たちはソーシャルメディアを通じて自身のアイデンティティを集め、キュレーションし、ソーシャルネットワークの毎日のスクロールで意味のあるものを横断し、文書化し、定義する。ハイパー接続性には奇妙なグリッチがある。それは、私たちのスクリーンと実際の存在の間の空間、つまりメタ的、周囲的、そして実際の生活の間の空間が、スクリーンが私たちを内側に引き込むほど外側に広がる可能性があるということだ。
特筆すべきは、時間的な歴史の使用が、非階層的な連続空間の中で、代替的な素材の移行的な適用によって実現されていることだ。この素材を通じた意味の層化、想像された空間を地図化する不可能さ、プロセスの巡礼、そして共同体の取り組みが、ムンカの失われた歴史と私たち自身の存在の未知の国境の探求の核心にある。素材自体が遺産に根ざしたままであることを主張し、私たち視聴者がそうでないとしても。フランスを離れて20年以上前にムンカは、大陸と国籍を横断するオデッセイに出発し、自身の個人的な意味のメッカを探求した。
生きられた経験が本物の意味の基本的な要素を形成するなら、所属と生成の問題は、南フランスの洞窟、ジャカルタの島々、アフリカの先端に敷かれた最初の印に遡り、イテラティブで非連続的な革命を通じて私たちに向かい、最終的にシャルル・ムンカの手と心を通じて、佐渡島のアトリエで実現する。
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【開催概要】
AWASE gallery × biscuit gallery グループ展
「6 drawings vol.3」
参加作家:海老原イェニ/上條陽斗/Charles Munka/丸山咲/三成花奈/弓月
会期:11月08日(土)〜11月23日(日)
時間:12:00〜19:00
休廊:月-火
入場:無料
会場:AWASE gallery、On、biscuit gallery
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目32−10 松井ビル8F
主催:biscuit gallery, AWASE gallery
お問い合わせ:info@awasegallery.com