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Exhibition

イ・ウヌ × チョン・スヒョン × 朝長弘人「Shift」Lee Eunu × Chung Soo Hyun × Hiroto Tomonaga「Shift」

イ・ウヌ × チョン・スヒョン × 朝長弘人「Shift」<span style='color:black; font-size:14px;display: block; margin-top: 10px; padding-left: 10px;'>Lee Eunu × Chung Soo Hyun × Hiroto Tomonaga「Shift」</span>

イ・ウヌ × チョン・スヒョン × 朝長弘人「Shift」

AWASE galleryは、このたび、イ・ウヌ × チョン・スヒョン × 朝長弘人 による3人展「Shift」を開催いたします。
会期は1月10日(土)〜 1月25日(日)、会場はAWASE gallery(新宿)、どなたでも予約なしでご来場いただけます。

AWASE galleryでは、積極的に韓国のアーティストを取り扱い、その活動を紹介してまいります。

そのうえで、「これまで交わることのなかったものを合わせ、新たな関係性を生み出す」という考えのもと、日本の若手作家とのグループ展や共同プロジェクトも展開していきたいと考えています。

その第一歩として、ディレクター山田康平とも親交の深い朝長弘人を招き、今回が日本初展示となるチョン・スヒョン、イ・ウヌとの3人展を企画いたしました。

初日1月10日(土)16時〜19時はオープニングパーティーを予定しております。作家も在廊いたします。
飲み物を用意しておりますので、ぜひお立ち寄りいただけますと幸いです。

 

【ステートメント】

本展「Shift」は、絵画や立体作品を通して、私たちの視覚体験や空間のとらえ方に生じる「間」や「ずれ」に注目するグループ展である。

私たちは日常的に、こちらと向こう、手前と奥、内部と外部といった区分を前提に空間を認識している。しかし実際の経験において、視覚は常にその区分どおりに整理されているわけではない。距離感の曖昧さや視線の行き止まり、奥へと押しやられる感覚など、空間はしばしば不均質な状態として知覚される。

出展作家たちは、一つの視界として統合されがちな空間を解体し、その要素をずらしながら再配置する。例えば、現実空間内でも石やコンクリート、木材や布といった素材は、異なるスケールや記憶、土地との関係性を内包したまま、橋や壁、階段といった構造を想起させる形態として組み立てられていく。

展示空間において、視点は固定されない。Google Earthのスクロールのように、空間は一望されるものとしてではなく、連なりや断絶を伴いながら経験される。そのなかで、空間は「理解される対象」というよりも、距離や隔たりを伴う状態として立ち現れる。

本展は、空間の中に生じる距離、位置のずれ、視点の切り替わり、そうした変位=シフトを通して、私たちがどのように空間を認識し、関係づけているのかを問い直すものである。

 

 

アーティストプロフィール

 

 

イ・ウヌ/ Lee Eunu
「Dokkaebi」/110×150×220 mm/2024

イ・ウヌ/ Lee Eunu

1982年生まれ。ソウル在住。

イ・ウヌは、物体の概念的な意味よりも物理的特性に関心を寄せる。この関心は、素材の物理的限界や特性、歴史上の瞬間、特定の時間や場所に定着することなく繰り返し現れては消えるスタイルなど、多岐にわたる。

主な個展に「触れる形」(北ソウル美術館、ソウル)、「垂直な心」(プロンプトプロジェクト、ソウル)、「ペアーズ」(ソンウンアートスペース、ソウル)、「物体の様式」(ギャラリーファクトリー、ソウル)。

主なグループ展には「An Angel on My Table」(Factory2、ソウル)、「An Exhibition with Little Information」(釜山現代美術館、釜山)、「Object Universe」(蔚山美術館、蔚山)など50以上。

作品はソウル美術館、ソンウン芸術文化財団、京畿現代美術館などに収蔵されている。2023年にはソウル芸術大賞の視覚芸術部門で大賞を受賞した。

2005 BFA in Fine Art, School of Visual Arts, Korea National University of Arts, Seoul
2008
MFA in Fine Art, School of Visual Arts, Korea National University of Arts, Seoul, Korea

主な展覧会

【個展】

  • 2025 “Housework”, Gallery SP, Seoul
  • 2023 “The Shape of Touch”, Buk-Seoul Museum of Art, Seoul
    “Crows and Shiny Pebbles”, MMCA Art Book shop, Seoul
  • 2022 “Perpendicular Mind”, Prompt Project, Seoul
  • 2021 “Rolling and Rolling”, The Great Collection, Seoul
    “Pairs”, SongEun Art Space, Seoul

【グループ展】

  • 2025 “Scattered Words”, Gallery Kiche, Seoul
    “Forest of Resonance”, MMCA Residency Changdong, Seoul
    “Where the Line is Drawn”, Ranee Seoul, Seoul
  • 2024 “Unboxing Project 3.2: Mqauette”, VSF, Los Angeles, USA
    “Inner Portrait”, Edit Project, Seoul
    “Unboxing Project 3: Maquette”, New Spring Project, Seoul
    “Undo Effect”, Hite Collection, Seoul
  • 2023 “The Theory of Light and Matter”, Dohingart, Seoul
    “Discovery: 12 Contemporary Artists from Korea”, 45 Rockefeller Center, New York, USA
    “The Massless Space”, Space 298, Pohang, Korea
    “The Still Center of Life”, Thomas Park, Seoul
    “An Angel at My Table”, Factory 2, Seoul

作品・コンセプトについて(日訳)

家がある。玄関のドアを開けると階段が現れる。この階段を上ると、家の中心に位置するリビングルームに至る。
リビングは三つの部屋、キッチン、バスルームに囲まれている。天井の高さはおよそ2.5メートル。
最も広い部屋が寝室である。
真ん中の部屋には本や雑貨が置かれ、一番小さな部屋には衣類が収納されている。
リビングの中央には低いガラスのテーブルがあり、その周囲に机、ソファ、テレビが配置されている。この家に住む犬はいつもソファに座り、飼い主を待っている。

 

蚤の市で買った真珠母貝のテーブルトップ

30年前のミッドセンチュリー調ガラステーブル

路上で拾った籐家具、IKEAのソファと伸縮式テーブルの隣に

時代不明のチェスト、これも蚤の市で購入

北米産広葉樹で自作した家具と木工品

アルヴァ・アアルトを彷彿とさせる小型木製ロッキングホース(国内製)

地元小規模メーカー製ベッドに米国製マットレス、その前にスペインのアンティークスツール

浜辺で拾った流木を、大柄な友人に壊されたベトナムの椅子と並べて置く

 

この家に住む人は毎朝目を覚ますと犬と散歩に出かける。
食事を済ませ、スタジオへ向かう。一定時間絵を描いた後、運動をする:筋トレ1時間と有酸素運動20分。
再び食事をとり、やるべきことを片付け、合間に考える。
帰宅後はまた犬と散歩に出かける。その後、家事をするか、何かを読むか、あるいは何もしない。
眠りにつき、このサイクルを繰り返す。

これは私の家と一日についての物語だ。特別なことが起きない限り、これが私の生き方である。
ほとんどの時間は食事と仕事と休息に費やされる。私にとって「身体」は極めて重要だ。全ての活動は身体を通じて行われ、心と精神を支えるのも身体である。
この状態は深く彫刻的だ。この世のいかなる物体も重力から自由には存在できないように、私も身体から離れて存在することはできない。
したがって、私の物体への認識がまずその外見から始まるのは自然なこと。表面は私と物体との最初の交流経路を開く。

例えば、可視的な要素 -形態、素材、生産過程 -は、そこに内在する様式、過去の特定の歴史的瞬間、そしてそれに関連する私自身の感情や経験へと導く。これらの要素が私の作品の原料となる。
このため、私の実践は複数の境界線を跨ぐ:オマージュと模倣の間、偽物と本物、装飾と実用性、ノスタルジアと民芸品の間を。

 


 

チョン・スヒョン / Chung Soo Hyun
「뱃머리 선체」/909 × 606 mm ×3/2025

 

チョン・スヒョン / Chung Soo Hyun

2020 Ewha Womans University, Fine Art, B.A.
2025 Ewha Womans University, Fine Art, M.A

主な展覧会

  • 2025 “Little Giants”, Koohouse Museum, Gyounggido
    2025 “Orthogonal Play”, COSO, Seoul
    2025 “Wild Bunch vol.2”, This Weekendroom, Seoul
  • 2024 “G-force: Remember the Collision Point”, Ewha Womans University, Seoul
    2024 “The sharpness is rolling”,Sidaeyogwan, Seoul

受賞歴

  • 2025 Chunman Art for Young, Chunman Scholarship, Seoul
  • 2024 Spotlight on this work, Ewha Womans University, Seoul

 

作品・コンセプトについて(日訳)

敷居をまたぐ。ここには壁がない。白い空虚な空間そのものが壁となる。その虚ろな場所に構造物が立ち上がり、空間は木枠で満たされる。それらは互いに噛み合い、支え合う。接合部の隙間には微細な空間が残る。だが不安定には見えない。
両足を伸ばし、慎重に姿勢を保つ者のように、しっかりと立っている。一部は直角をなし、一部は完璧な半円を描く。中心点を中心に構築されたものもある。
それぞれの構造には独自の法則があり、それらの法則が互いに補い合う。接合部では、耐え抜く強さが感じられる。互いを支え合い、包み込むように。

この空間の中で、私はこれらの構造を積み重ねる行為を繰り返す。
平らな長方形に息を吹き込み、押し上げて小さな木片へと変える。木が帯びる重みが指先に伝わる。軽く押すと抵抗が生じ、その感触が全身に走る。押せば押すほど、逆に押し返される。
私はそれらと均衡を見出す。
時には全てを置き、最初の平らな状態に戻す。分解することもまた一つの過程だ。巻き戻し、再びパーツを組み立てる。
これを繰り返すことで、自らの基準を見直す。中心が揺らげば、再び真ん中に戻す。角度がずれていれば、直角に戻す。曲線が崩れていれば、完璧な半円に戻す。
反復は完成ではない。修正である。指先がまず誤りに気づき、身体がその小さな誤りに従う。

丁寧に組み立てられたキャンバス枠の間から、描かれたイメージがこの場所を超えた白昼夢へと私を誘う。
目の前の光景を静かに見つめつつ、その本質に触れる形を捉えようとする。円盤が回転する際に糸が巻き付く緊張感、四面体のような舞台に響く反響、船の甲板に広がる斜めの情景 – これらはすべて想像の中で紡がれる。
白い球が別の球に当たり鋭い音を立てる瞬間もそう。張り詰めた線が緩む瞬間もまた然り。
これら全てを現実的な素材で構成された構造体として描く。それが作品に現実世界との繋がりを与える。
空間内の光と影は設計ソフトで計算され、緻密に計画される。これもまたリアリズムに基づく。
構造体が積み重なるにつれ、互いに異なる様相を帯び始める。それぞれが異なる大きさや形状を持ち、荒れ果てた島にそれぞれ居場所を見つけて落ち着くかのようだ。

 


 

朝長弘人 / Hiroto Tomonaga
910 × 655 mm/2025

朝長弘人 / Hiroto Tomonaga

1997 佐賀県生まれ
2020 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業
2022 武蔵野美術大学大学院造形研究科絵画専攻油絵コース修了

個展
2025 「雷」KOSAKU KANECHIKA、東京
2024 「望遠」KOSAKU KANECHIKA、東京
2023 「乱反射」武蔵野美術大学、東京
「変光景」KOSAKU KANECHIKA、東京
2022 「つり合い」gallery 美の舎、東京

グループ展
2025 「Tokyo Gendai 58 分」Gallery & Bakery Tokyo8分、東京
2023 「絵の律」biscuit gallery karuizawa、長野
2022 「ぎこちない実感」YOD TOKYO、東京
「うつつの暇」gallery TOWED、東京
「CHANGTING GALLERY PRIZE 2022」長亭 gallery、東京
「FACE2022」SOMPO 美術館、東京
「武蔵野美術大学 卒業・修了制作展 2021」武蔵野美術大学、東京
「Expression」長亭 gallery、東京

 

 

【開催概要】
イ・ウヌ×チョン・スヒョン× 朝長弘人
「Shift」
会期:1月10日(土)〜1月25日(日)
時間:12:00〜19:00
休廊:月-火
入場:無料
会場:AWASE gallery(新宿)
〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目32−10 松井ビル8F
主催:AWASE gallery
お問い合わせ:info@awasegallery.com